レイプ事件の犠牲者であり、民事裁判で一審は勝訴をかちとった伊藤詩織さん。事件がクローズアップされているからだろうか、初監督したドキュメンタリー「LONELY DEATH」がネットで公開されている。約45分で、日本における孤独死と遺品整理(特殊清掃)をとりあげている。
MIYUという特殊清掃の職について1年という若い女性が、主人公的に登場する。背景の解説をするのは、淑徳大学 教授の結城康博氏。教授と共に千葉の団地での「孤独死ゼロ研究会」の活動が紹介されたりもする。
そして、死後2カ月、誰にも発見されなかった男性の死体が残っている部屋の清掃見積もり、清掃、家族への引き渡しに立ち会っていく。
とても辛く、悲惨だが、その部屋を故人の生前を思いながら清掃していく人たちが存在しているのは確かな救いだ。カメラは、交わされる会話や視線の先にあるもの、無駄なく、だけど決して機械的ではない動作をていねいに追っている。
登場する人、全員が「こういう孤独死が、これからの日本では増えていく」と語る。それに抗うことはできない。
こんなすごい作品を生み出せる人だからこそ、山口敬之と対峙できたのかとさえ思う。
「LONELY DEATH」をぜひ、見てほしい。今ならシネフィルで公開されている。
http://cinefil.tokyo/_ct/17189901