m-editの日記

加計学園問題を普通の女性として追及していきます。

カウアン・オカモトさんの主張を理解するために

 ジャニー喜多川こと喜多川擴氏の性加害について、当事者として外国人特派員協会で会見を行ったカウアン・オカモトさん。4月12日の会見以降も精力的にYoutubeで発信を続けているが、とりわけ4月20日のArcTimesにおけるロングインタビューは秀逸で、被害者の中で、初めて、唯一人彼だけが実名、顔出しで日本社会に体験を告白できたのか、理由がよくわかる内容だった。

 まず、彼は日本社会における自分の立場が、「他者とは違う」ことを自覚させられながら生きてきた(カウアンさんの言葉では「ずっと一匹狼だった」)。父と母は共に日系ブラジル移民の三世で(ニッケイ新聞によると、父方の岡本家は1923年に、母方の佐藤家は1934年にブラジルに渡ったそうだ)、18歳で出稼ぎ労働者として来日したときには日本語を理解できなかった。いわゆるできちゃった婚で彼が生まれ、両親はポルトガル語で育児をしたから、母語ポルトガル語だという。

 普通教育で日本語を身に着けたカウアンさんは、学校からの連絡などを自分が通訳して親に伝えたのだという。父親は、工場で働いており(カウアンさん曰く「日本語ができなくても出来る仕事」)、自分は父と違った生き方を選びたいと芸能界を目指すようになる。ジャニーズ事務所に入ったのは15歳のときだが、ともかく覚悟が違う少年だったのだろう。

 とはいえ、喜多川擴の性加害について、公にすべきだと彼が思ったのは、半年ほど前に過ぎない。自らが負わされた被害を、十分に受け止め切れているわけではない。自らが「みなさんと話しながら、理解している面がある」と語っている。その通りなのだろうと思う。

 貴重なインタビュー、尾形聡彦氏の洞察も繊細かつ深奥で、視聴後に爽快感がある。2時間20分と長いといえば長いが、その価値は十分にあるのでおすすめしたい。

【カウアン・オカモトさん(元ジャニーズJr.)、緊急インタビュー】ジャニー喜多川氏の「恐怖の館」/ジャニー氏の性加害による苦悩と、いま告発するわけ ●The Interview 尾形聡彦×望月衣塑子● - YouTube