m-editの日記

加計学園問題を普通の女性として追及していきます。

加計学園、申請書の補正完了のニュース

加計学園の実習は認可できるレベルなのか

 政局が混とんとしてきたが、加計学園獣医学部の設置申請について、設置審から求められた申請書の修正を終えて、9月27日に文科省に提出したと報じられた。

 実習期間と教員の訂正だったらしいが、これが本当にきちんと修正が可能だったのだろうか疑いをもっている。というのも、一学年160名という国内最大規模の学生が実習できる施設が四国内には見当たらないからだ。この問題については、国家戦略特区の平成29年1月12日開催今治分科会において、民間有識者として出席した猪熊 壽氏(帯広畜産大学畜産学部教授)が指摘している。1月12日という日付に注目していただきたいのだが、これは「獣医学部新設の告示(広域・1校に限る・平成30年4月開学)」がすでに出され、今治市が応募した当日にあたる。猪熊氏は、獣医学に知見を有する第三者として、この分科会に出席した人だ。

 加計学園の構想について、以下のような疑問を呈している。

“具体的なところがまだ書かれていなかったようなので、これはどのようにしてどういうところを体験させるのかとか、必須科目ということになると、160人という学生さんをどうやっていろいろなところに体験させるのかというのは、気になるところはございます。

 私は参加型臨床実習でひいひい言っているものですから、参加型臨床実習というところはとても気になったのですけれども、5年生以降の参加型臨床実習は体験型の実習ではな いのですね。必ず診療に携わっていかなければいけないということで、大人数でできない ということでとても手間のかかるものです。時間もかかります。160人を10人ずつ班に分け ても16班になりますし、そういう方たちを、今回は資料には愛媛農済、馬の牧場などと書 いてありますけれども、具体的にどういうところに参加型臨床実習をさせるのかというの はとても気になります。特に農済です。私ども帯広畜産大学は、牛が40万頭いて、獣医師 が200人いるところにいても、地元の農済さんに参加型臨床実習をお願いできなかった経緯 がありますので、この辺を具体的に、現場の先生方と獣医師といかに協力関係をつくるか、今後、その辺の具体的なところを考えないといけないのだろうと思います。

愛媛県だけで はなくて、オール四国とか、中・四国だとか、そういった観点が必要なのかなという気がします。 今、獣医学で問題になっているのは、感染症というお話が今までも出てきましたけれど も、実際の獣医学教育で、豚、鶏は実習ができなくて困っているのです。その辺をいかに していくのか。実際、地元の農家さんあるいは農業団体の方、そういった方の協力も必ず ないといけないと思います。”

 

 猪熊氏の発言から北海道においても獣医学部の実習先の確保に難儀していることがわかる。前回の記事でも示したが、四国4県を合わせても乳用・肉用合わせて牛は8万頭以下であり、豚も北海道のほぼ半数にしかならない。猪熊氏の発言中にある「馬の牧場」というのは、野間馬(日本在来種の小型の馬。今治市文化財)のことらしく、そんな貴重種で学生が実習するなど無謀としかいえない。

 設置審査は、この世界に冠たると銘打って新設される学部について、実習の場の確保、実習契約の見通しがついているのか厳正に審査してほしい。