m-editの日記

加計学園問題を普通の女性として追及していきます。

柳瀬審議官の反論を検証する

根拠が薄い柳瀬氏の反論

 2015年4月2日の首相官邸における面談の内容について、愛媛県職員が作成した備忘録は、「首相案件文書」と呼ばれているとおり、当時首相秘書官だった柳瀬氏の発言が注目されている。柳瀬氏は、10日にコメントを発表した。以下が全文です。

国会でも答弁していますとおり、当時私は、総理秘書官として、日々多くの方々にお会いしていましたが、自分の記憶の限りでは、愛媛県今治市の方にお会いしたことはありません。
 自分の総理秘書官時代には、国会でも答弁していますとおり、50年余り認められていなかった獣医学部の新設がどうなるかという制度論が議論されており、制度を具体的にどこに適用するかという段階ではありませんでした。実際、その後、獣医学部新設を追加規制改革項目として、とり上げるかどうかについては、いわゆる「石破四原則」の決定により、検討が開始されることになり、翌年の2016年11月に、獣医学部新設が国家戦略特区の追加規制改革事項として、決定されたと認識しています。
 具体的な地点の選定手続きは、私が総理秘書官の職を離れてかなり時間がたってから始まり、今治市が特区を活用して、獣医学部新設を行う規制改革が決まったのが17年1月だったと認識しています。
 したがって、報道にありますように、私が外部の方に対して、この案件が首相案件になっているといった具体的な話をすることはあり得ません。(2018/04/10-10:31)

 

 

要約すれば、「国家戦略特区で話題になる前の時期だから、獣医学部新設についてアドバイスするわけがない」というところだろうか。

 一方、前文部科学事務次官の前川さんは、この文書を「加計ありきを示す決定的文書」と評している。獣医学部が検討された当時の国家戦略特区における検討を時系列で整理してみよう。

 

 2014(平成26)年8月5日 新潟市獣医学部新設についてWGに提案

 2014(平成26)年12月3日 新潟市国家戦略特区諮問会議 第2回会議…獣医学部については検討ナシ(新潟市は諦めムード?)

 2016(平成27)年6月5日 愛媛県今治市獣医学部新設についてWGに提案

 2017(平成28)年1月27日 広島県今治市が特区に区域認定

 2017(平成28)年3月30日 広島県今治市 第一回特区認定会議

 

 国家戦略特区では、平成26年5月に特区指定された成田市に医療系大学の設置が認められるという「文科省の規制突破」が確定したのが平成27年7月31日であり、4月といえば成田市分科会において好感触を得られていた時期に該当する。

 構造改革特区で15回の失敗を重ねていた今治市加計学園に、国家戦略特区への方針転換を促すタイミングだったことは明白だと思う。柳瀬さんの反論には全く説得力がないと思うがいかがだろうか。