混乱や信頼を揺るがしたと、軽く解釈されては困る
財務省の前理財局長・佐川宣寿氏の証人喚問が決まってから、毎朝、ニュースをチェックするのが怖かった。ご無事でおられるか、心配だったのだ。だから、今朝は、しっかりとした足取りで国会に入った姿を見て、ほっとしたものだった。
が、しかし、証人喚問での冒頭の言葉、「国会における大きな混乱を招き、行政の信頼を揺るがすような事態になったことは誠に申し訳ない」というのを聞いて、ガッカリしてしまった。
改ざんされる前の決裁文書と乖離し、事実と齟齬をきたしている数々の答弁、さらに決裁文書からの詳しい経緯の削除・捏造など、佐川氏が行ったのは「混乱」というような程度のものではない。国会・国民への裏切りであり、背信行為である。混乱なんてものではなく、大罪を犯したのだ。行政の信頼は揺るがしたのではなく、失墜・壊滅させたのだ。
自分の責任をどうしてあんなに限定して解釈できるのだろう。周囲から、「程度」をよほど刷り込まれているのだろうか。保身という言葉では納得できない。佐川氏の軽さに違和感を抱き、とても落胆した喚問だった。