6月21日、NHKのクローズアップ現代が加計学園問題をとりあげた。この放送では、10/21萩生田官房副長官ご発言概要という文科省内の新文書がスクープされ、加計問題に消極的とみられていたNHKが 一気に地位回復を遂げたような内容だった。
けれども、私自身は逆方向にミスリードされてしまった。
政治部の記者が特区制度を民事訴訟になぞらえて解説する際のボードが以下のような代物だったからだ。
内閣府と文部科学省が対立し、内閣府側がやや強引な進め方をしても、こういう構造なら仕方がないかと思われた。
だが、これは非常に浅薄な理解だったのだ。
それは、議事録を読んでみればすぐにわかる。
政治部の記者は、「原告」「弁護士」「裁判官」と提案主体や内閣府の役割を説明したが、とんでもない比喩である。特区においては、ワーキンググループ(以下、WGと略)の委員を諮問会議の有識者議員が務めることがある。つまり、弁護士役と裁判官役が同一人物なのだ。もっとひどい例になると、提案主体と裁判官が実質的には同じなんていう例まである。
クローズアップ現代は、10/21文書を見出した点では評価できるが、特区制度の構造についてとんでもない誤解を与えたという点で、マイナス部分のほうが大きかったといえる。