m-editの日記

加計学園問題を普通の女性として追及していきます。

前川喜平さんの提起から広がる課題

学習権と憲法、沖縄と米軍基地

 2月3日、加計学園獣医学部の開設を目前にした今治市において、前川喜平氏の講演会が開催され、1000人を超える聴衆が集まった。文部科学省を退職後、私が知っているだけでも10回以上の講演会に臨んできた前川さんだが、ビデオで見ると、さすがに今治市の講演会では少し緊張されていたように感じる。

 加計学園獣医学部は開設する。新設の根拠や認可の手続きについて、国会や今治市議会でこれからも真相解明は続けなくてはならないが、この学部で学ぶ学生にはきちんとした学習環境が整えられるべきだ。

 私は、昨年12月13日、京都キャンパスプラザで開催された前川さんの講演会に参加した。そしてたった一人で政権中枢と闘う人の、芯の通った強さ、泰然とした姿勢に心から感動した。

 と同時に、加計学園問題や教育問題に限定されない前川さんの問題意識や社会への目配り、広い知見に圧倒される思いがした。

 そして、今はひたすら憲法と日本社会にある問題について知りたいと思っている。前川さんが講演会で述べた問題意識の数々、格差の広がりや学習権の保障について、また高校で必修となった「世界史」や「現代社会」の教科内容について、そこから広がるのは領土問題、集団的自衛権憲法9条、そして沖縄の米軍基地が何故、撤去できないのかという問題だ。

 そうした問題について、こらからこのブログでまた記載していくことにする。(画像は12/13講演会の会場風景)

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加計問題はフェイクではなく、国家権力による不当な特権貸与だ

朝日新聞社の提訴を応援する

 森友学園加計学園への国家権力による不当・不正な優遇に対して、これを報じた新聞記事をフェイクニュース扱いする評論家・文化人が存在する。特にひどいのは、飛鳥新社が発行した「徹底検証『森友・加計事件』 朝日新聞による戦後最大級の報道犯罪」だ。前川喜平氏への誹謗中傷も随所に書かれており、これを12月25日、朝日新聞社が提訴に踏み切った。

 記事によると、朝日新聞社は25日、文芸評論家・小川栄太郎氏の著書「徹底検証『森友・加計事件』朝日新聞による戦後最大級の報道犯罪」が、事実に基づかない内容で同社の名誉や信用を著しく傷つけたとして、小川氏と出版元の飛鳥新社に5千万円の損害賠償と謝罪広告の掲載を求める訴えを東京地裁に起こしたというもの。

 この件については、朝日新聞社を応援したい。東京地裁の判断を注目していく。

 

「これからの日本、これからの教育」(前川喜平/寺脇研)を読んで

 文部行政に通う、熱と知恵が伝わってくる

 自分自身と学校教育との深い関わりを改めて思い起こした。

 70年代初め、高校進学にあたり五木模擬テストの偏差値を見ながら受験校を決めていた姉の姿、論説文を読解するために読んだ「中教審答申」、80年代初め、国立大学の学費値上げに抗議して文科省前でデモしたこと、90年代、社会人になってから制作を手掛けた数々の大学案内、21世紀になってから大学職員として短大の未来像を考えていたこと、私は教育政策の移り変わりを受け止めながら生きてきたといえる。

 といっても、本当に「受け止めるだけ」だったのだなと、今更ながらに思う。文科省から送付される味も素っ気もない文章が、こんなにも人間くさいドラマがあって発せられていたとは! 前川喜平さんと寺脇研さんが語る教育改革は、それほどにダイナミックで熱をもっている。

 生涯学習、高校無償化、教科書問題など、大局的なテーマから政治家からの横槍の巧みな捌き方まで、信頼関係にある2人だからこその会話が続く。ドラマチックに話す寺脇さんと淡々と語る前川さんの対比も面白い。それにしても、2人とも数字に強い。高校の総合学科の数や児童養護施設を退所することになる18歳の人数などがスラスラと出てくる。官僚人生の中で数年間、地方の教育現場で過ごしていたこともあるせいか、いろいろな地方の実情にも通じているなと感じる。課題を見出しては知恵を絞り、緻密に政策につなげてきた手腕にはまったく頭が下がる。

 内幕暴露話を立ち聞きするような楽しさもある。何かと先鋭的な寺脇さんが、朝鮮学校無償化の話題で義家氏や下村氏を批判するのは当然としても、飄々とした感じの前川さんがネトウヨを「教育の失敗だと思う」と断罪していたりしてドキリとさせられる。

 文科省時代の前川さんのノートパソコンの待ち受けがチェ・ゲバラだったというのも、なかなか衝撃的な告白だ。教育への関心が深まるに違いない一冊です。

 

納得からは程遠い、文科大臣の見解

 加計学園獣医学部設置について、文部科学大臣が行った11月10日の記者会見が文科省のホームページで公開されている。

 記者とのやりとりの中で、複数の記者が追究しているのは、「日本再興戦略改訂2015」で出された4条件を加計学園獣医学部は満たしているのかという点だ。

 文科大臣の発言を紹介すると次のようになっている。

 

 今回の獣医学部の新設につきましては、これまで国家戦略特区を所管する内閣府を中心に段階的にそのプロセスが進められてきたところでございまして、4項目につきましては昨年の11月9日の追加規制改革事項の決定の際にですね、関係省庁において4項目が満たされているという確認を行っております。

 関係省庁にはもちろん、文科省も含まれています。

 今回の設置認可のプロセスにおいては文科省として申請書の内容が4項目を満たしているか否かを確認したものではなくて、4項目を含めて進められた国家戦略特区のプロセスの中で進められた加計学園の構想と適合しているか否かについて確認を行った。

  従って、本年1月までの国家戦略特区における判断のプロセスが覆るものではないということが確認をされたところでございます。

 

  赤旗の記者が、関係省庁の中には文科省も含まれているという発言を受けて、「省内では、いつ、どこで判断したのか、文書は残っているのか」尋ねたところ、

  手元に資料がないので、後ほど事務方から説明されます。と言うのが答え。

  11月9日の追加の規制改革事項の決定とは、以下の内容だ。

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kokusentoc/pdf/h281109.pdf

 これは、諮問会議での決定であり、「4項目を満たした」証明にはなりえない。

 林文科大臣が言っていることは、「次のステップに進んだのだから、チェックは済んでいるはず」であって、「チェックができた」確認はしていない、もっと言えば、「チェックしようともしていない」のである。

 こんな発言がまかり通り、許されてしまうことがひたすら悲しい。

 

認可に正当性を見いだせない理由

 加計獣医学部について、文部科学大臣の最終判断だけが残っている段階になっているが、愛媛県今治市では市議会による第三者のチェック(建設費についての)がまだ途中であり、住民による訴訟も受け付けられている。こんな学部新設が認め垂れていいのだろうか。

 また、前文部事務次官の前川喜平氏がコメントを発表しているので掲載する。

【特区諮問会議は改めて審査する責任がある】

 加計学園による今治市での獣医学部設置については、大学設置審議会の答申があったからといって、直ちに文部科学省が認可すべきではないと考えます。

 設置審は、同学部が国家戦略特区法の目的に適うものなのか、閣議決定の4条件を満たすものなのかという問題については判断する立場になく、ただ大学設置基準等の最低基準に照らして学部設置の可否を判断するだけです。

 獣医学部の申請までのプロセスにこれほどの疑念があり、それに対する具体的な説明が全くなされず、記憶にない、記録がないという発言が繰り返される中、このまま文科大臣が同学部の設置を認可すれば、結局、政府は主権者である国民に対して真摯に向き合わず、国民のための政治を行っていないということになるのではないでしょうか。

 同学部の設置を認めるに当たっては、改めて特区諮問会議を開き、現時点で具体化した内容をきちんと審査して、加計学園による獣医学部の新設が国家戦略特区法の目的に適うものなのか、閣議決定の4条件を満たすものなのかを再確認する必要があります。

 

【不公正・不公平、国家の私物化ではないかという国民の疑念に政府は答えなければならない】

 そして、加計学園獣医学部の設置が認可されたとしても、特区制度のもとで同学園にだけ特例的な規制緩和が認められた行政過程において、不公正・不公平、国家の私物化があったのではないかという国民の疑念に対し、政府は十分な説明をしなければなりません。

 すなわち、

①国家戦略特区法の目的や閣議決定の4条件に基づく公正な審査が行われなかったのではないか

京都産業大学の提案を恣意的な条件を付すことにより公平性を欠く方法で排除したのではないか

③「総理のご意向」により、初めから「加計ありき」で、「腹心の友」にだけ特別な恩恵を与えることが決まっていたのではないか

などの疑念です。

 我が国の主権者は国民です。政府は国民のための政治を行っているのですから、国民に対し正面から十分に説明を尽くさなかればなりません。

             平成29年11月10日

               前川喜平

 

 

文部科学大臣は職責を果たせ

 大学設置審議会が加計学園獣医学部新設を認める答申を11月10日に出すと報道されている。通常の学部新設ならば、これで学部の新設が認められることになり、来春、新学部が開設、新入生を迎えることになる。

 だが、国家戦略特区において学部が新設される加計学園の場合は、国家戦略特区法および平成27年6月の閣議決定、「国家再興戦略(いわゆる「石破4条件」に縛られるはずだ。というのも最終的に大学の設置を認めるのは文部科学大臣で、大臣は内閣法に縛られるからだ。

 設置審による答申とは別次元で、文部科学大臣は特区の方針に加計学園獣医学部が適合しているのか審査すべきである。特区というのは他大学には与えられない特権を当該学部にだけ認めるものだから、「安倍首相の関与があった証明がない」からといって特権を与えてよいとはならない。「特権を与えてしかるべき理由」は、これまで説明されていないといえる。

 獣医師は足りている(むしろ資格を持っていても獣医業についていない潜在獣医師が20%もいる)し、牛も豚も鶏も犬も猫も減少傾向にあるし、人獣感染症対策や四国における家畜防疫体制には新学部の設置は利益がなさそうだし、既存の獣医学教育の再編にもメリットはない。そんな獣医学部のために、なぜ、国庫からも地方財政からも助成して援助する必要があるのか。

 説得力のある説明は、どこからもなされていない。

 

議事録の公表は部分的にすぎない

特区諮問会議に「一点の曇りもない」はでたらめ

 加計問題について、加戸元知事と並んで安倍首相が頼りにしているのが諮問会議議長の八田達夫氏だ。加計学園の選定過程に不正はなく、議事録を読めば「一点の曇りもない」ことがわかると言うのだが、残念ながら議事録は公開されておらず、公開しているのは議事要旨であり、それも国会で福島議員が追及を始めた3月以降、獣医学部新設に絡んだ回に限られているというのが実情だ。

 議事要旨がどの程度、公開(国家戦略特区のホームページにアップされているかどうか)されているかは、情報クリアランスのホームページに詳しい。

【レポート】国家戦略特区の決定プロセスの情報公表状況をまとめました | 情報公開クリアリングハウス

それにしても…、安倍首相も竹中平蔵もワーキンググループの原英史も特区のホームページを見ればすぐに明らかになる嘘をよく平気でつくものだと呆れる。

 「一点の曇りもなく公開している」と強弁すれば、国民は確かめたりせず信じるものだとみなしているのだろうか。舐められたものだと思う。